蹴り入り牧草

馬のご飯。堅く乾燥した牧草をバケツに半分程入れ、そこに水を一杯まで入れるとふやけてこんな風になります。馬小屋は仕事場の崖の下。毎朝晩にうららのご飯と稲藁を運んで、また次回の牧草をふやかすのにバケツに水を入れます。

ところが仕事場は厳寒の氷点下、-10℃以下になることもざら。12月下旬には先ず外の水道2ケ所が凍り付き水が出なくなり、更に屋内の水道もそれ以上に寒くなると水は凍って出ません。そんな時は仕方なく車でバケツをワザワザ家まで持って帰り、お風呂場でお湯を入れ一晩玄関に置いて馬小屋に運ぶのです。翌朝、馬小屋の飼葉桶にこのバケツをひっくり返すのですが・・・あまりの寒さにバケツの中の牧草がふやけた形のまま全部凍りついてウントモスントモ出てこないことが度々です。

お腹を空かせているうららが「なにやってんのぉ~はやくぅ~餌桶にいれて~」と地団駄踏んで、私は私で固く凍ったバケツを上から「ンニャロ~!」とガンガン蹴りを入れるとやっとバケツから牧草が出てきます。毎度毎度の馬のお食事も一苦労。ああ、ここは福地、標高600mの寒冷地。c90