香港のスーパーで売られている日本産キャベツ半分およそ150円。他にも日本産人参、ごぼう、白菜、イチゴ、果物、お菓子、カップ麺、米、調味料にレトルト食品etc・・下手な日本のスーパーよりも日本製品の品揃えは豊富。
日本の食料自給率は40%、こりゃいかん!低すぎる!食料自給率UPを!が農水省はじめ日本国民の世論として定着しました。
ところが、農地のない香港は食糧自給率はほぼ0%。それで香港人は不安を感じているかと言うと答えは「NO!」
飽食日本の自給率はカロリーベースで40%、香港は多分0%、人民が飢餓と言う報道のあの北朝鮮は70%程もあります。つまり自給率の数字自体に実はほとんど意味はありません。
ちなみに「自給率」を採用しているのはほぼ日本だけです。ではどうやって他国の自給率が分かるかと言うと、日本の農水省がわざわざ他国の農業統計から独自の計算式を用いて、どこどこの国は何%と公表しています。何のためにそんな面倒くさいことをしているのかというと・・ごめんなさい、ブログでは書き切れません。。。。
最近よく「食糧安全保障」なんて言葉を聞きます。自国で食糧ができなければ国民の生命の安全が脅かされるという意味です。非常に分かりやすいので国会議員や学者、評論家がよく使う言葉ですが、この論には重大な欠陥があります。
食糧生産は太陽があって作物がすくすく育つという単純なイメージの世界ではありません。
現実を見ると食糧生産には石油や農業機械または施設など膨大なエネルギーが必要です。ガソリンや軽油(燃料)、トラクターやコンバイン(鉄鉱石や産業技術・工業製品)、物流システム(社会構造)などが整ってはじめて食糧ができ口に運ばれます。食糧には必要条件や外的要素が意外に多いのです。残念なことに日本は資源のない国です。大量のエネルギーや資源を必要とする「食糧」を自国で独立して成り立たせるというのは幻想なのです。食糧生産の必要条件(燃料、機械、その他)が既にほとんど外国頼み、輸入なのですから、残念ながら、はじめから食糧安全保障なんてあり得ない話なのです。
軽トラックや農業機械を動かすには国産できない外国のガソリンを使い、元は外国の鉄鉱石が形を変えたトラクターやコンバインを操縦し、ビニールハウスのビニールも元は外国の石油、自分自身の体も何割かは外国農産物でできていて、その上で食糧の生産ができても「はい、これ、日本産です」とどこまで胸を張れるのか非常に怪しいものです。
しからば、食糧安全保障を正確に実現しようとすれば・・鎖国して輸入をストップし、今の豊かな生活を国民全員が諦め、車にも電車にも飛行機にも乗らず、国産のものだけで生活し、それでも餓死者が多数出て、そこまでの状況設定ができて初めて我が国の食糧自給が語れるというものです。
今一度自分の周りを見渡してみましょう。パソコン、テレビ、机、椅子、食器、ガラス、家、自転車、バイク、自衛隊の戦車に戦闘機に潜水艦、原料が例え日本のものであっても加工する時に電気や工具を使っていれば、それは確実に外国の力を借りていることになります。
日々の生活では認識していませんが、実は私達の生活は恐ろしい程の外国のモノによって取り囲まれ、日本の力だけでできているモノなんて本当に探すのが難しい、いえ、限りなく無いことに気付きます。
「いえいえ、わたしは違います。」と言ってみたところで、農業の世界なら自給農法や自然農法と呼ばれる一見ピュアな形も、程度の差こそあれ要するに同じ世界です。誰一人、その現実から免れることはできません。
議論が変に情緒的だったり空想めくと判断を間違えます。
まずは現実に起きていることを眼を逸らさずに直視する。
もう一度、自分の農業に対する見識や思いを作り直さなくてはいけない時が来たようです。
長文ブログでゴメンナサイっ♡
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Dr ストップ (金曜日, 11 3月 2011 10:20)
いえイエ お隣の方からするとまだまだ短いほうです。
山ちゃんのお米 (月曜日, 14 3月 2011 00:30)
地震・・えらいことになってしまいましたね。