TPPを受け入れると日本の農業は壊滅し食料自給率はガクッと下がってしまうから国家の安全保障上それは断固阻止と言う。
「食料自給率」は農民の心の拠り所、存在価値そのものと信じて疑わないのも無理はない。つらい農作業が国民の口を養っているいうのは嘘ではない。
でも正義の味方「食料自給率」にも裏にはいろんなカラクリがある。
たとえばお米を例にとると確かにmade in japan。
でもよ~く見てみよう。お米を作るにはトラクターが要る、ガソリンが要る、肥料が要る、農薬が要る、作る農業者の服は、靴は、長靴は、軽トラックは、建物の材料は、軍手は、書類の紙は、パソコンは、お米袋は、精米機の鉄鉱石は・・・愕然とするほど外国から輸入したものばかりだ。
国産のものなんて100に一つもない、ほとんどぜ~~~~んぶ実は輸入品に支えられて、輸入品を加工したり使ったりしてお米は作られている。
よ~~~く周りを見渡してみてください。
お米つくりに限らず、私たちの生活は仕事は見事に輸入品や外国によって支えられていることにただただ愕然とします。
食料自給率を言うなら作物を作る機械や燃料や肥料・農薬に至るまで自国で生産供給できて初めて自給と言えるわけです。それを作る道具やエネルギーはほとんど外国から持ってきたもの。
作る場所は確かに日本国内。いや、視点を変えれば作っている場所が日本というだけのことだったりする。
自覚しよう。ちゃんと心に留めておこう。
プロの端くれ農家の一人として「食料自給率」を浅いところで論じるのはやめておこう。
付け焼刃の表面上の食料自給率や国家安全保障なんて言葉やイメージに騙されないようにしよう。
そうしないといろんなことを見誤って、どんどんねじれていく。
すでに私たちの生活は外国にどっぷり頼ったものなんだ。
それをすぐにいいとか悪いとかで判断したがるけど、いいも悪いもない、それが実に現実なんだというところから考えをスタートしようと思う。
今日と明日は八百津町産業祭、いろんなことを感じよう考えよう。
ワクワクしますなぁ。
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