眼差し(まなざし)だなぁ。
「土の科学」久馬一剛著
PHPサイエンス・ワールド新書刊
まだ「まえがき」しか読んでませんが、ビリビリしびれる様な文章がちりばめられています。「眼差しだなぁ」ほとほと感じ入ります。
以下はその中で出てくる高村光太郎の詩人の感性をもって詠まれた詩。
あらゆる種子をつつみはぐくみ
虫けらを呼びさまし
悪しきもの善きものの差別をたち
天然の律にしたがって
地中の本能にいきづき
生くるものの為には滋味と塒(ねぐら)とを与へ
朽ち去るものの為には再生の隠忍を教へ
永劫に
無窮の沈黙を守って
がっしりと横はり
且つ堅実の微笑を見する土壌よ
ああ五月の土壌よ
「ああ、眼差しだなぁ・・」絶対的で断定的で圧倒的なやさしさ。
まえがきで早くもノックアウト。
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