船中八策ならぬ田中八策

「田中八策」岡本重明著・光文社刊

これ「山ちゃんによく似た考えの農民がいる!」と友達の女性webデザイナーさんから紹介いただいた本です。確かに表紙を見ただけで何が書かれているかほとんど察しがついたので、買うまでもないかと思ったのですが「どこまで似ているか?」興味が湧いて買ってしまいました。

海外進出、TPP、これからの農業の向かうべき形態など8つの提言。

「およよ!」確かに友人の言われる通り、著者と私、発想や発言が非常によ~く似ています。

 

ただし、もちろん私と違う所もあります。それは、著者の何事も大きくメジャーにしようとする思考回路と、大手商社や大企業との人脈。

タイに8000ヘクタールって!(驚)人脈があるからメジャーになれるのか、メジャーだから人脈ができるのか。

大きくなる、メジャー志向は農業者にもかなり多いのですが、しかし、私個人は大きくメジャーの先にある幸せにはかなり懐疑的です。

 

これまで農業という職種のステータスが不当に低く見られていたり、馬鹿にされたりした歴史が長らくありました。そんな口惜しい思いが反作用して、無意識だけど、今まで馬鹿にしてきた人たちを、自分が大きくメジャーになることで見返したい、と思っている農業者は意外に多いものです(そのこと自体にいい悪いはありません)。

幸か不幸か、私は農業という職種で人様から卑下された覚えがなく、大きくメジャーになることで、いいことが起きる、幸せになれるなんて幻想も全くありません。小さくて結構だし、十分幸せ。

 

でも、でも、でも、万一、そんな私でも著者と同じように、誰もが知る大手商社や大企業から「山ちゃん、一発海外で大きな農業プロジェクトをお願いしたいのだけど?」と声がかかったら、どうするんだろう???やっぱり、自分もメジャーを目指すようになるのだろうか??と自分に当てはめてドキドキしながらこの本読んでましたが「おや?私には、そんな人脈もコネも資金も何もないではないか!」とすぐ気がつき「なぁ~んだ、ドキドキするだけ損した気分っっ(泣)」