可愛い目だった

「げっ」仕事場に瀕死のタヌキの子供が。

寝てるのかと棒で突っついてみたけど、動く力が全く残っていない。

「お願い、こんなところで死なないでくれ。」

苦しそうに息だけして、こっちを見上げた。

つぶらな瞳と目が合った。なにか訴えているような気がしてくる。

彼の短い一生、森に生まれ、長くてあと数時間で森に帰る。