話はトイプードルの件に及んだ。
キャリア35年のトリマーさんと。
ここ10年ほどまともな犬を本当に見なくなってしまったそうだ。
骨格、耳、目、すぐに骨折する足、かみ合わせ、アレルギー、神経症・・何もかもがおかしいのだそうである。特にあの愛くるしいトイプードルに至っては群を抜いてヒドイらしい。まともな形のトイプードルなど、とうとうたったの一匹も出会ったことがないそうだ。
メチャクチャな交配を重ね、犬はどんどん崩壊していく。人間に近い分だけ悲劇の度合いも高い。
奇しくも母乳の免疫も丁度切れる生後40日、最も母親からの愛情が必要な時期に強制的に母犬から離され、日中はガラスケースをお客にガンガン叩かれ、環境も変わり夜も一人で寝る子犬。その多くがノイローゼだという。そんなことから始まった話はどんどんグロテスクに鬼気迫る業界の現実に及んだ。
衝撃的すぎてとてもブログでは書けない内容のことをたくさん聞いてしまった。
もう僕はペットショップのガラス越しの子犬たちに「可愛い~っ」などと脳天気に声がかけられないだろう。
これは、犬の話ではない。
お米や人間や、命に普遍するような大事なことだったりする。
のに、忘れがち。
忘れてしまう。
いや、見ない。
隠す。
原発事故を忘れてしまうのに似ている。
見ないどころか、知らない。
それどころか、何もなかったことにしてしまう。
トイプードルのトイっておもちゃの意味だよね。
まさか・・・吐き気がしてきた。
話を聞いていて涙が出てきた。
話をしてくださる方も目にたくさん涙を溜めていた。
俺たちぁ、あまりにもヒドイじゃないか。
なんで俺らぁ全く知らずに生きてんだ?
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