今年の田植えが終わった。最終日の今日は代車の田植え機がとうとう動かなくなり、既に故障している自社の田植え機をなんとか戦線復帰させるも、これも最後の最後に8列のうち2列が植え付け不能に。新品なら300万円以上もする8条植えの田植え機が2台もあるにもかかわらず、最後は人力の手植えで危機を乗り切ってのゴールイン。トラクターも長期入院中。旅客機で例えるなら、4つのエンジンの内3つのエンジンが停止し、一基のエンジンのみでの操縦でギリギリ着陸したようなものだろうか。
ここからが重要。自暴自棄にならず必ず「なんとかなる」と確信したら、いろんな方の助けで本当になんとかなった。この春、トラブルは21年間で一番多かったが、そんな中でも「ラッキー」「ついている」と言い続けてみた。ちょっと変に感じるかもしれないが、毎日意図的にそう口癖するようにわざと自分を仕向けてみたのだ。重なる故障を不運と捉えるか、トラブルが重なってもそこからしか見えない風景を幸運と捉えるか。この捉え方が、重要なのだ。重なるトラブルがそれを確信へとつなげてくれた。
脳は、思い描いたことや口にしたことをその通りに実現しようとする強烈な力が確かにある。脳と言う表現は、正確ではなくこれも表面的。その奥には大きなカラクリが存在するのも分かってきた。多分、私に限らず農業や自然関連の人なら、経験的にこの感覚は会得しやすいはずだ。本を何冊読んでもたどりつけない、この大事な感覚は、私の場合農業を続けてこれたからこそ、ご褒美にもらった宝物のようなものだ。カラクリと呼ぶと俗っぽいし、法則と呼ぶには堅苦しいこの感覚は「霧」にも「光」にも似ている。
不思議なことだが、あれほどトラブルが続いたにもかかわらず、結果的には田植えは予定より3日も早く終わり、後片付けや他の作業もお蔭様で21年間で一番効率的に進んでいる。
これは偶然ではない。
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ひげ爺さん (火曜日, 19 5月 2015 09:39)
同感ですね。最近はずっと「なんとかなる。」に助けてもらってます。自分にとっていいことばかりは続かないのだけど、それがいつか自分を助けてくれてるなとつくづく思います。新しい農場は現在準備中。予定より1か月以上遅れています。でもきっとそれがいいってことなんだろうな。どうなるかドキドキワクワクです。
山 (土曜日, 23 5月 2015 22:38)
ひげ爺さん、ご無沙汰しています。この春もいろいろありましたが、21回目の田植えもお蔭様で終わりました。ありがとうございます。新農場も楽しみですね。動くといろんなことが起きて楽しいから次から次へと~。前回お会いしてからも随分と考え方や感じ方が変わってきました。そのあたりまた聞いていただけるとありがたいです。歳は全く関係ないですね。新農場の成功をお祈りしています。こちらはこれから小学校校舎の再活用にやっと取り掛かります。