脱走

一年に2度ほど馬小屋から脱走するうらら。今回も忘れた頃に~夜10時に村人から一斉に電話とメールが鳴る「うららが脱走してます!!!!」「ゲゲッ!!」 

早速現場に急行したが、闇夜でうららの姿がない。暗闇で仕方なく「うらら~!うらら~!」と叫んでみれば、闇夜の彼方からドドドドッと走ってこちらに現れた。

こうした時、馬は馬で脱走が悪いことだと知っているから、絶対に叱りつけてはいけない「お~、よく馬小屋から脱走したね~」と徐々に優しく近寄り警戒心を解きつつ撫でてやる。そうしてしばらくして馬が少し落ち着いてきたところを見計らって、そこで素早くガッ!!!とたてがみを力一杯掴んで指に絡め逃げられなくする。同時に「お利口だね~」と言葉だけはあくまでもやさしくもう片手でもたてがみを掴む。逮捕。連行。馬小屋に強制送還。


うらら程の小さな馬体でも馬は馬、人間の何倍もの力があるから彼女が反抗したら決して引っ張れるものではない。馬はとても臆病な動物だから、絶対に怒ったり叩いたり叱りつけてはいけない。そんなことすれば、たちまち闇夜に逃亡して一晩中捕まらない。