日本を終戦に導いた男の戦い、映画「日本のいちばん長い日」
子供の頃に見た白黒の前作の方が迫力があった。
予想通りの作りで感銘のカケラも何もなかったのは、この前観た同じ戦争映画の「野火」に比べ、所詮はどこか現実味のないエリートたちの物語だからだろうか。
同じ戦争映画でも飢えや生死をかけ同じ兵隊を殺して食べてしまう極限の戦地と、国体を護持するというエリートの頭の戦いでは比べ物にならない。
ニューギニアやインパールなどの極限の戦地で国体護持もへったくりもありはしない。
映画では一見終戦において天皇が責任を取るという構図に見えなくもないが、よ~く見ればそれさえもかなり胡散臭い。戦争を始める時も終わらせる時も、結局は誰も責任を取らない日本。いや、300万人も(例え一人でも)殺しておいて誰も責任を取れるはずがないのだ。
今の安保法制、実際にことが起きた時にはもちろん誰も責任を取ろうとしないし、取れるはずもない。先の膨大な死者から何を学ぶのか、どのスタンスで想像力を働かせるのか、私たちのほとんどの人は安全なエリート側にはなれない。
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