20年目の里帰り

日本酒「山水渡風」(さんすいわたるかぜ)

20年前、私達は当時としては革新的な
酒造りプロジェクトをしていた。
それぞれの領域で気合を入れてつくった
伝説のお酒「山水渡風」

「山」は酒米の生産者山ちゃんから。
「水」は清らかな木曽川の伏流水から。
「渡」は企画発案販売の渡辺酒屋さんから。
「風」は花盛酒造の風間杜氏さんから
全て八百津町内の素材・事業者から
一文字づつ取ってできたお酒「山水渡風」。
約10年間ほど続いたプライベートブランド。

昨日、渡辺酒屋さんに立ち寄ると店主から
「山ちゃんこれあげるよ」と唐突に一升瓶。
「ずっとマイナス3℃で大切に保管してたんだ」
見れば懐かしや山水渡風!
「ええええええ!!」
製造年月日を見ればなんと20年前ッ!!

久しぶりに見るこの一升瓶のラベルを見た瞬間に
20年前のことが走馬灯のようにいっぺんに
思いだされて瞬時に号泣してしまった。

「開けて飲んでみてね」と言われても
いろんな思いが詰まった20年の重みで
とても私には封を開けられそうもない。

とりあえず生まれ故郷の田んぼに里帰り。
「長旅お疲れ様。お帰りなさい。」

「山水渡風」は20年前に
この田んぼから生まれた。
当時花盛酒造先代社長(故人)さんも
渡辺酒屋さんも何度もお米の生育を見に
足を運んで下さった田んぼとお酒だ。

お酒と共に当時の熱い思いも時を超えて里帰り。