おわるはじまり

クローバーはシロツメグサのこと。
その昔外国からガラス製品が入ってきた時に
箱の中に敷き詰められていた白い花が語源らしい。

このクローバーはピンク。
よく見ると花が下から枯れ始めている。
きっと受粉を終えたのだろう。

受粉さえできればもはや
虫達に「私綺麗よ!」と無駄なアピールや
エネルギーを使う必要はない。

枯れ始める花は、受粉を終えて虫達を寄せる
その美しい役割を終える瞬間。

終える瞬間は同時に受粉を終え次の世代の
タネを作り始める瞬間でもある。
おわるはじまり。

精一杯きれいな花を咲かせていたエネルギーを
精一杯たくさんのタネを作るエネルギーに使う。

枯れていく花は輝きをなくし萎れくすみ、
茶褐色に変色しやがて風化していく。

花が枯れていくのは
人の目には汚くなっていく姿に
映るかもしれないけれど、
もしかしたらその瞬間は
きれいな花を咲かせている時よりも
充実した美しい瞬間なのかもしれない。