景洪はジンホンと読む

青い線のちょうど中間地点辺り、景洪(ジンホン)
という町は中国は雲南省のタイ族自治州、
西双版納(シーサンバンナ)というところにある。

かつて「秘境」と呼ばれ、35年前大学生の時に
バックパッカーとして訪れた時には車が
ほんのたまにしか通らないような田舎町だった。

米農家になってからはここが「日本米のルーツ」
だと知り、景洪(ジンホン)の現地少数民族
タイ族の農村に10年以上通い続けた。

同じ村に毎年のように通うのだから
知り合いや友人がどんどん増えて
「今年もまた日本人の米農家がやって来たぞ!」
と、多い時には100人くらいの村人が
集まって毎晩のように宴会を開いてくれた。

その思い出いっぱいの農村も数年前に
開発の立退で丸ごと跡形もなく消滅した。
立退の補償金で一時にわか金持ちになった
村人は、米作りをやめてこぞって
高級車を買ったり後先考えずに散財して
また元の貧乏な生活に戻っていった。

その過程は目まぐるしく変わる現代中国の縮図。
歩いて0分、そこら中が田んぼだらけ、
日本の米のルーツと言われた景洪(ジンホン)の
田んぼはそっくり高層ビルや
マンションに姿を変えてもうない。
今や一番近い田んぼは車で飛ばして2時間。。
変化のスピードは日本人の理解を
遥かに超えている。

そして先日、景洪(ジンホン)を経由して
中国はとうとうラオスまで
高速鉄道を開通させた。

暴挙なのか快挙なのか、日本人の感覚では
あり得ないことをまた中国はやってのけた。

日本人からすると驚愕と戦慄、羨望が混じる
スケールとスピードの桁違いな開発。

中国よ、どこに向かうのだ?