登録商標「山ちゃんのお米」「やまちゃんのおこめ」

一般の人ではなかなか見る機会がない
これが登録商標証書。

「山ちゃんのお米」という文字とロゴマークは、
特許庁によって登録商標として保護されている。
範囲は第30類、お米やお米の加工品全般で
かなり広い。

保護される類似範囲もかなり広く
例えば「山ちゃんのお米」を平仮名にして
「やまちゃんのおこめ」とか
「ヤマチャンノオコメ」
「yamachanokome」
としても表記または発音の類似として
他の人は使えない。
正確には保護される類似の範囲は
(例えば発音で3母音など)もっと広く
登録商標の効力はかなり強い。

もし他の人が「山ちゃんのお米」
「やまちゃんのおこめ」「ヤマチャンノオコメ」「yamachanokome 」など類似の文字や
ロゴマークを使って商標侵害した場合、
私はその使用の差止めと損害賠償が請求できる。

ところが。。
一般人ならともかく、プロのwebページ制作者
やホームページ制作会社が商標登録を
知らないのか無視なのか
「まぁ、これくらいならいいだろう」
なんて認識の甘さで商標侵害をするケースが
ある。

そんなことをしていると
ある日突然商標侵害や名称使用禁止の
警告書や損害賠償請求が届く可能性もある。
実際、同じ町内でもある農産物が
他社の商標侵害をしてしまい
大問題になった事例もあった。

さて、長年「やまちゃんのおこめ」を
買ってくださってる親しい大学の先輩。
名古屋で国際特許事務所をされていて
随分前から「やまちゃんのおこめ」は登録商標を
取った方がいいよと勧められていた。

「やまちゃんのおこめ」という名称は
私はもう28年も使っている。
が、もし誰か(農業一年目の人でも)が
先に「やまちゃんのおこめ」を
商標登録すると、私がその名称が使えなく
なるばかりか損害賠償請求される
可能性があるんだよと。

ずっと「農業でそれはないでしょ〜」
「名前なんて変えればいいでしょ〜」
なんて言ってたけど、
たしかにもし万一そんなことになれば
長年使ってきた名前を使えなくなるどころか
損害賠償が来るって、、、やばいじゃん!

備えあれば憂なし。

先輩の特許事務所に商標を
お願いすることにした。
一昨年特許庁に出願、昨年「山ちゃんのお米」は
無事正式に商標登録された。

日本は商標登録に関しては先願主義。
要するに早い者勝ち。
恐ろしいのは商標登録されなくても
特許庁に出願した時点で他者がその名称を
使うことは出来なくなる。

日本ではその名称を100年使っていようと
昨日その名前を思いついて商標登録を
先に出願した方が勝ちなのだ。
(ところが例えばアメリカの場合だと
100年の実績の方が勝つ)

つい「同業者のみんなは大丈夫なのか??」
「その商品名は大丈夫なの?」と
心配になるが、特許庁に出願してから
登録されるまでには1年半という時間と
特許事務所への報酬も含めて約15万円かかる。

手間と時間とお金がかかっている登録商標、
損害賠償請求権が発生するのも無理はない。

「山ちゃんのお米」
「やまちゃんのおこめ」や
「ヤマチャンノオコメ」に
「yamachanokome 」などなど
類似表記や発音のものも登録商標。

混乱や不利益がお客さんまで及ばないよう
同業者の方はどうか気をつけて。