招き猫

招き猫を何百何千と見る機会に
恵まれている最近。

最初はどの子も可愛く見えてたのに
慣れてくるとお気に入りの顔をした子は
そうはいないことに気づく。

アメリカに留学したての時は
アメリカ人全員が美男美女に見えていたのが、
1ヶ月も経つと「あれ?どこ行った?」と
気付いてしまったのを思わず思い出した。

さて、
数えきれないほどたくさんの
招き猫が並ぶ棚の前。
私に向かって
「おじちゃん、こっち!」
と呼ぶ子がいる。

気のせいだよね..と
他のたくさんの招き猫さん達を
見て廻るのだけど、
私に呼びかけてきたその子は
遠くの方からも私のことを
ジーッと手招きして見てる。

「なに?なに?うちに来たいのかい?」
と聞くと
「私を連れってくれれば幸せになれるよ」
と言う。
「もう十分幸せだよ」
と答えると
「じゃあもっと幸せになるよ」
と言う。
よく見ればなかなかの器量よし。

うちに連れて帰ることにした。