路傍の観音様

近所の道で見つけた多分これは馬頭観音さん。
観音さんの頭上に載った馬でほぼ判断できる。

今まで何度も通ってたのにここにずっと佇んで
いらっしゃるのに今日初めて気付いた。

「嘉永二酉天 十一月日」と彫られてる。
調べたら確かに嘉永二年は1849年の酉年。
今から174年も前。
ペリーが黒船で浦賀に現れる4年前。

当時は車やトラックとしてトラクターとして
大活躍してた馬。亡くなると馬頭観音さんの
碑を建てて祀った。
だから馬頭観音は日本全国にたくさんある。

このお馬さんは病気で亡くなったのか
老衰だったのか、事故だったのか、
それとも出産がうまくいかなかったのか
174年前の出来事を想像してみる。

私も17年間連れ添った愛馬を
3年前に亡くして馬頭観音の碑を造った。
この馬頭観音には馬主の名前も馬の名前も
彫られてなかったけれど、家族同然に
可愛がってた馬を亡くした主人の辛い思いや
感謝の念が私には痛いほどよくわかる。

馬頭観音の顔を優しく撫でてみると
174年前の見知らぬ馬主と気持ちが
通じ合えた気がしてうれしくそして
かなしくなった。