ドライブハローと申します

トラクターの後ろに付いてる作業機は
その名をドライブハローと言う。

カバーの内側にはたくさんの短い耕運刃が
あって、それで水の付いた田んぼの土を
攪拌して水平に均す。(代掻きと言う)

うちのドライブハローは横幅が4m20cm。
とてもこの幅で道路は通れないから
道路走行時には油圧で3分割に折り畳まれる。
この作業機だけで価格は200万円ほど。

トラクターの後ろの作業機は着脱可能で
この代掻き専門のドライブハローの他にも
耕す専門のロータリー、畦塗り機、
肥料散布機、トラックの代わりをする
運搬用のトレーラー、草刈機などなど
が必要に応じて装着される。

トラクター一台で何役もこなせるけれど
トラクターと後ろに着脱する諸々の作業機を
トータルすると1500万円を超える。

そして1500万円はトラクター関連のみ。

そこに田植えをする田植え機(400万円)も
稲刈りをするコンバイン(900万円)も
含まれてない。

恐ろしいことにこれらは消耗が激しく、
数年単位で買い替えの必要がある。
私の場合28年間でトラクターは3台目、
田植え機は4台目、コンバインは7台も
買い替えてきた。

更に収穫した籾からお米にする乾燥機
(1台200万円✖️5台)、籾摺り機(250万円)
精米ライン(450万円)、フォークリフト
(100万円)に軽トラック(一台70万円✖️2台)
シャベルローダー(200万円)、
ユンボ(200万円)、施設建物(4000万円)
他にも種々雑多な機械類を含めると
これまでに機械だけで軽く1億円は
かかってる。計算したくな(泣)

そして更に恐ろしいことに、私は
プロの「お米専業農家」としては
恐らく日本で一番小さなサイズ。
これまでに私より小さいな経営規模の
お米専業農家に出会ったことは一度もない。

うちがこれまでやって来れたのは
大袈裟ではなくかなり奇跡に近い。
振り返っても「よくここまで来れたな」と
思うより「。。。。」震えてくる。

本当ならプロのお米作りをしたい若者を
歓迎し応援したいのだけど、就農希望者が
来ても
「失礼ですが、あなたには無理じゃない?」
ってところからどうしても話に入って
いかなくてはならないのがこんなお金の事情。

いや、もっと少ない投資でできないことは
ないけれど、それ、かなりの実力と体力と
経営判断できるか特殊な人でないと。

いわゆるゆるい農的な暮らし、農業に
晴耕雨読を求めて来る人には
そもそも合わないし無理(T ^ T)

その人の人間的価値とお米専業農家に
なれないのには全く相関関係はない。
ただ、せっかく米作りやたいと思って
来てくれる人にもそんな話を毎回
しなくちゃいけないのも残念。