蒙古斑と親バカと王家の紋章

1997年8月31日早朝に長崎県は島原市で
娘が生まれた。

生まれるまで性別は聞かないで夫婦とも勝手に
男の子が産まれるものだと信じ切ってた。
男なら「金太郎」と名付けるはずだった。
立ち会いで産まれた瞬間
「げ!オレが産まれてきた!」
自分に瓜二つの顔が出て来て
腰を抜かすほど驚いた。

ん?おちんちんが見当たらない。
まだ男の子だと思っていたので瞬間
「あー、そうか、後から生えてくるんだな」
と思ったのを今でも覚えてる。
もちろん何分経っても生えて来なかった。

嫁さんが長い陣痛でさっきまで苦しんでた
今は空のベットに、まるで何事もなかった
ようにやさしい朝陽がさしてた。

朝陽の中、病院を後にすると朝のテレビの
ニュースでダイアナ妃がつい先程亡くなったと盛んに報道されてた。
タイミングが良すぎる。
「まさか!うちの子はダイアナ妃の
生まれ変わりではなかろうか!!?」
女の子だし!
さっき産まれたばかりなのに
初めての親バカだった。

あれから26年経った。
この春、娘はめでたく大学の先輩と
結婚して東京で新しい家族を築いた。
結婚式は来年らしいが、新郎のご家族とは
ミニ披露宴みたいな会食の機会を作って
もらいたくさんお話しできた。
新郎、ご家族のみなさんも素敵な方々
「これぞ良縁」ひたすらありがたかった。

「娘はひょっとしたらダイアナ妃の
生まれ変わりでは!?」と言う妄想は、
それでも密かにずっと何かしら少しでも
その兆候や、いやこの際何でもいいから
片鱗が現れるのを私は密かにずーっと
待ってたけれど全くない。

いや、まだわからない。
諦めてはいけない。
そうだ!
今思い出してみると、赤ちゃんの頃に
娘のお尻にあったあの蒙古斑は、
イギリス王室の紋章にとても似ていた
気がしてならない。

お誕生日おめでとう。