伝説の男

伝説の男、浅野先輩である。
37年ぶりの再会である。
同じ岐阜に住んでらっしゃる。

大学体育会アイスホッケー部で
私が1年生の時の4年生、いわゆる天皇と
呼ばれる存在だった。

プレー中、鉄製のゴールに顔から
派手に突っ込み氷の上に血と何本もの歯を
散乱させていた方である。そのせいで前歯は
今でも全部ないので笑って写真に収まれない。
大学1年の秋からアイスホッケーを始め
その冬にはレギュラー選手になっていたと言う
人間離れした運動神経をお持ちだった。

元々はプロレスか格闘技に進みたかったと言う
血の気も超一流で、試合中にフェンスの外、
ベンチから氷上でプレーしている相手選手に
掴みかかって殴りまくっていたのを見て、
相手選手よりも私の方が震え上がってたのは
忘れられない。

当時から高級車を乗り回し長髪パーマ..
他にもここでは言えないような
数々の武勇伝を持った先輩だったけれど
「おめぇ、俺と同じ岐阜から神大に来て
よくアイスホッケー部に入ったもんだ!」と
当時よく可愛がってもらった。

37年ぶりの今日も当時の雰囲気そのままで
「おお、よく来たなぁ!」
かつて私が馬を飼っていたと話したら
「ほんなら、見てけ!」と連れらた空き地。
伝説の男は、車がバンバン通る国道沿いで
なぜか山羊を一頭飼っていた。
犬を飼うのは飽きたから山羊だそうだ。
なぜ山羊なのだろう?...まさかッ!!