誰の名誉と誇り

「戦艦大和」久しぶりに戦記物を読んだ。

どうしたわけか小さい頃から戦記物を
読むのが大好きだった。
小学校から家に帰って毎日のように
描いていた絵も、ワクワクして夢中になって
作ってたのも戦闘機や戦艦だった。

戦艦大和の本を読むのはもう何冊目だろう。

あれほどワクワクしてたのに、あれれ?
なんだかおかしいぞと気づいたのは
いつの頃だろうか。
勇ましいバンザイ突撃もつらい状況から
逃れるためのいわば集団自殺が多いし
かっこよかったはずの司令官や指揮官も
実は無能で無責任極まりない人が
多かったことも知った。

いつの間にか勇ましさや名誉や誇りを
語る人の裏側を見る癖がついた。

戦艦大和を日本の誇りと見るか、
多くの若者を無駄に深海まで道連れにした
悲惨な過ちと見るかはその人の
人生観や見方によって違う。

私は、たった一つの艦で3000人もの
若い人をよくも駒のように使い捨て
死地に追いやったものだと見てる。

沖縄特攻で大和3000人と引き換えに
撃墜した米軍機は僅か数機。
そんな作戦とも言えない命令を下した
司令部や軍高官、「海軍にはもう戦える
船はないのか?」と暗に無謀な出撃を促した
天皇の責任はいつまでも消えない。

苦しく無念で沈んで行った方々を思う。