お盆 乙女おばあさん

祖父は東京美術学校(現東京藝術大学)出身の
洋画家だった。
祖母乙女おばあさんが昭和37年に書いた
祖父山田隆憲を偲んでの手記が残っている。

82ページにわたる手記に登場する人物は
かなりの人数で、その一人一人を
検索してみると驚くことばかり。

隆憲おじいさんを美術学校に合格させたのが
洋画家黒田清輝に熊本県代議士の安達謙蔵。
美大当時おじいさんがめちゃくちゃ
お世話になってたのが後の東京藝大学長
和田英作。
お爺さんとは小学中学の同級生で、
戦後、戦犯で処刑された武藤章陸軍中将。

などなど、ちょっと調べればおいおい!ってな
有名人物がゴロゴロ手記には登場する。

そんな登場人物をネット検察してると
お盆だからなのか一人一人から
「ありがとう!私のこともっと調べて!」
と言われてる気がしてならない。
頭の中が大正昭和初期に完全にトリップ
してしまっている。

写真は手記の中に出て来る東京芸大から
ほど近い谷中にある
「愛玉子(オーギョーチ)」というお店。

120年ほど前、谷中は初音町と
言われていて、この店は芸大音大の学生の
溜まり場だったと手記に何度か出てくる。
120年も前から、よくぞ残っていたものだ。

まだ若かった画家の卵の頃の隆憲じいさんや
仲間たちの姿を想像してみる。
お盆が近いからか。