西部戦線異常なし

映画「西部戦線異常なし」
この作品は1930年(白黒)、1979年(カラー)、2022年(Netflix)と3回映画化されていて
今回のNetflix版で3作全て観たことになる。

今回の最新版は前作たちと違い、軍や政治の
上層部や将軍達の無能さ見栄や名誉のために
多くの若い庶民達が兵士として無駄死に
していく様が強調されている。

会社も議員も軍隊も地位が上だからと言って
優れている人は少ない。
地位欲や名誉欲、上位者への取り込み方や
仲間を蹴落とす能力には長けているけれど。

映画「日本の一番長い日」など、日本にも
軍や政権や天皇がいかに敗戦を受け入れるか
葛藤した記録的映画もあるけれど、
最前線で敵だけでなく飢えや病気で戦い
傷つき死んでいった一兵士の苦労や恐怖や
葛藤に比べたらまるで屁のような苦労話で
馬鹿馬鹿しくなる。

お前らが戦争を始めてお前らが命令して
殺し合わせて、最後にはお前らが偉そうに
戦いを止めろと命令を下し
「敗戦」を「終戦」と言い換える。
天皇は開戦、終戦の承認をし陸海軍の
作戦にも口を出し、軍のみならず
全日本国民がそれに従った。

日本人310万人を死地に追いやった
戦争最高指導者の天皇の責任は
問われることなく、逆に戦後は「人間天皇」
などと終戦をご英断した素晴らしき人物に
仕立てあげた。

戦後史を紐解いていくと、調べれば調べるほど
天皇は戦争責任不問の「命乞い」のために
マッカーサーに沖縄を差し出したとんだとわかる。
その後の沖縄基地を始めとする苦難は
この時の天皇の判断と無関係ではない。

映画「西部戦線異常なし」と全く同じ構図。

今日は8月15日。
名誉の終戦にするために腐心する
将軍達ではなく、国を問わず苦しんで
死んでいかれた大勢の兵士たち庶民の人たちの
ことを慰霊したい。