高齢化人口減少と田んぼ

村が高齢化し人口が減り続ける。
この地に移住した30年前650人いた人口は
今では200人前後。
私は移住者だけど、今まで数え切れないほどの
お葬式に出た。

人口が減って空き家が増えて
猟師が減って猪や鹿が増えに増えた。

以前は効果があった電気牧柵も最近では
感電に慣れられ猪も鹿にも効き目が
なくなってきた。
特に電気牧柵のはるか上を易々と飛び越える
鹿のジャンプ力には侵入を止める方法がない。

いよいよ鹿や猪の食べ荒らし踏み荒らしで
稲が全滅に近い被害を受け、これ以上は
耕作できない田んぼが増えてきた。

来年の作付け計画をたてている。

残念ながら耕作しても猪や鹿のせいで
全滅してしまう田んぼ、明らかに
被害が拡大する田んぼはもう作れない。
もう個人の能力ギリギリを超えている。

30年も預かっていたそれらの田んぼは
地主さんにお返しすることを決めた。
それは一部ではなく、かなりの面積になる。

30年前にこんな事態になるとは思って
いなかった。
いや...じつは...私は知っていた。

30年前、八百津町の企画課でコホート法による
人口動態の資料をコピーしてもらったことがある。
その資料の人口減少予測はまさかそれほど
減るのか!と思うほどだったけれど
今となれば恐ろしいほど結果は合っている。
人口動態統計や予測は、よほどのことが
起こらない限りこれほど正確なのかと感心する。

でも、人口が減ってその結果田んぼが
作れなくなるとは夢夢予想できなかった。

福地の現状は日本中の山村に起きていること。
仮に一つの村や地域が対応に成功し活性した
ところで大きな流れは変えられない。

さて、先日、八百津町役場から10年後
この集落でまだ耕作されている田んぼの
予想地図を提出するようアンケートが来た。

「10年後耕作している田んぼはありません」
全ての田んぼが耕作放棄され荒地になるとの
予測を回答をした。

問題は農地どころの話ではない。
今後10年後ここの人口は何人残るのか、
アンケートするまでもなく一軒一軒
指折り数えることができる。
そこまで減った。
そして人口はこれまで以上急激に減り続ける。