紅子さん個展

友人の友人の紅子さんの個展、
熱海の小さなバー「コマド」さんで。
彼女と会うのは東京以来2度目。

紅子さんは元吉原のソープ嬢で、
いまは全国各地にあった遊郭や色街を
撮影してる写真家さん。

遊郭や色街と聞くと現代ではギョッとする
人も多いかも知れないけれど、むかしは
合法だったりいまとは捉え方がまるで違う。
伊勢神宮をはじめ有名寺社付近や全国の
宿場町にも必ずと言うほど普通に
存在していた。

私も以前長崎市にあった丸山界隈と
言われる女郎街のことを調べたことがある。
学術的に研究された本もたくさん出てるけれど
それらの遊郭や色街は少し調べただけで
埋もれた文化や歴史、人の業、経済、
人間模様、表には出てこない事情が絡み合った
「にんげん」を感じる。
個展の開かれた小さなバー「コマド」さんの
マスターも本業はプロのライターさん。

バーに界隈もかつては色街で、熱海市図書館
には盛況だった頃の写真がたくさん
残されているけれど、 今では閑散とした通り。当時を想像しながらその界隈を歩いてみると
当時の人々の喧騒を一瞬聞いたような気がした。

土地には人の営みの匂いが微かにでも
どこかに残るものだといろんな街を歩いて
度々思うことがある。
そんなことを感じるのが遠い昔の誰かから
話しかけられてるような気がして楽しい。