雷撃の神様 村田重治

子供の頃から戦記物読むのが大好きだった。

「雷撃の神様」と呼ばれた村田重治少佐は
子供の頃、本の中の私のヒーローの一人だった。
長崎県島原市の出身。
アメリカ空母を雷撃後体当たりして戦死。
戦時中、既に有名な雷撃隊隊長として
知られていた彼は島原市葬、市民総出の
盛大な葬儀だった。
 
彼の出身町内やお墓はどこなのだろうと
ずっと探していたら、とうとう
突き止めることができた。

彼のお墓は清雲寺にあって
出身地は島原市新馬場。

一目お墓を拝みたいと清雲寺に向かったけれど
海軍大佐と刻まれた立派なお墓が
どこを探しても見つからない。
お寺さんに直接聞いてみると
つい昨年にご遺族のご意向でお墓は撤去
更地になって痕跡はないと言う。
あと一年早く突き止めておけば。。

かつては日本中の注目の的でヒーロー、
しかも市葬まで行われた彼を祀るお墓は
もうどこにも存在しない。
戦国時代でも鎌倉時代でもなくつい80年前の
出来事と熱狂だったのに、時の流れは
いろんなことを消滅させていく。
無常だなと改めて思い知らされた。