馬を飼う、馬主になる


春のうららかな日にうちにやって来たから名前は「うらら」

ちょっと写真に注目してみてください。馬の耳は普通ピーンと立っている筈ですが、写真では両耳が倒れているのが分かりますか?

 これ、嬉しい時の表情なのです。ちなみに不機嫌な時や怒っている時には、耳の角度はもっと首にペッタリと付くようなに倒れます。

 

はじめは牛を飼うつもりでしたが、隣町の馬喰さんと知り合いになって馬を飼うことになりました。

 

元々田んぼで合鴨農法の無農薬米栽培をしていました。その時に合鴨たちの素晴らしい働きからヒントを得て、田んぼの中は合鴨たちに畦はウサギやヤギなどの小動物、もっと広い場所は馬や牛などの大きな動物に草を食べてもらえば自分は草刈しなくて相当楽できるなあ!!

という不精な考えから動物に興味を持った訳です。

 

いろんな動物を集めて農作業してもらうという計画から名付けて「ブレーメンプロジェクト」 

うららは、正式には北海道和種(どさん子)といいます。

北海道和種は木曽馬や鹿児島や対馬にいる馬と親戚。

日本にすごく昔からいる馬で、粗食で寒さにはとても強く標高600mマイナス15度にもなる福地でもケロリとしています。

 

特にうららは元々祭り馬として育てられたので性格はいたっておとなしく、小学校の運動会では、入場行進やパン喰い競争、綱引きにリレーにも参加した村の人気者です。

綱引きでは人に引きずられ、リレーでは人に抜かされと、笑いの調教もしていないのになかなかの役者振りを発揮していました。

 

牧場は山ちゃんの仕事場併設なため、一日大きな声で何度も「お父さ~ん!」と私のことを呼びます。わたしにとっては永遠の2歳児小さな子どもと一緒ですね。

 


わたし馬の「うらら」福地に来てもう14年になるの。

 

27歳だけど、馬の一歳は人間で言うと4歳だから人間で言えばわたしは110歳近くの高齢ってことになるわ。山ちゃんや村の人にかわいがられて幸せな人生、あ、馬生を送ってます。

 

カラダが大きくないから初めて見る人は「あれ?これロバ?」なんて聞かれることもあるけど、そんな時はすかさずこう答えてやるの

「ロバじゃなくて老婆(老馬)よ!ヒヒ~ン!」

 

最近時々わたしって人間じゃないかと勘違いするときがあるの。

いい男を見ると一緒に洒落たバーにでも行きたくなるわ♡


山ちゃんとうららの福地小学校運動会出席簿



うらら大牧場

日本一小さな大牧場。

その名も「うらら大牧場」

 

仕事場近くの山林にちっちゃな大牧場を造成しました。

 

看板の上の方にはイタリア語で

カンターレ・マンジャーレ・アマーレ・ドルニーレ

「歌って 食べて 愛して 寝る」

そして、ゴディティラビタ

「貴方の人生を喜びなさい」とあります。

 

人生いろいろあるけれど、

こんな風にシンプルに喜んで生きていけたらいいですよね。

馬を見ながら幸せな気分になって欲しいと、

このフレーズとデザインを描いてみました。

 

 

 

名誉馬主になると

うらら大牧場の看板の下には名誉馬主さんの銘板が飾られます。

 

うらら大牧場では、うららの牧草代を一口1000円カンパしていただけると、もれなく「名誉馬主」の称号を差し上げご芳名を看板に掲げさせて

いただいております。

 

名誉馬主には他にも以下の特典があります。

 

1.名誉馬主は終身称号。ただし、終身とはうららの寿命の意。

 

2.馬の糞掃除・餌やり・ブラッシング  いつでもやりたい放題。思う存分癒やされて下さい。

 

3.うららに向かい「私はあなたの馬主だ」と声高らかに宣言してもよい。馬の耳に念仏・・

 

4. 居酒屋などで仲間たちに「実は私は馬主になった!」と軽く自慢して、飲み仲間を驚かせてもよい。

 

5. うらら高齢につき、お葬式・四十九日には強制参列。馬主なら香典ははずんで下さい。

 

6. うららが競馬(中央・地方)に出場し賞金を獲得した場合、名誉馬主はその賞金を等分に請求できる

 

 *馬主心得*

1.居酒屋または料理などで「馬刺し」を注文・食した場合、名誉馬主の称号を速やかに自主返納しなければならない。

 

2.うららとサラブレッドの足の長さを比較してはならない。

 

3.馬主以外の者の「これはロバ?」という失敬な質問を聞いた場合、

速やかに「老馬です!」と大声で訂正しなければならない。 

 

お陰さまで銘板が一杯になりました。現在馬主の募集はお休みしています。 

 

近くに寄ったり撮影したりはどなたでも終日自由です。

ただし、事故などの責任は負いかねますのであくまでも自己責任でお願いします。

 

馬の寿命は普通25歳とも言われていますが,うららの馬齢は既に平均寿命を超えています。もしよければ、ぜひ今のうちに可愛がりに来て下さい。

 

 

~ちょっとだけ知識・馬のお話~

 

明治時代になるまで日本にはサラブレッドはいませんでした。

だから戦国時代も江戸時代も武士も将軍も馬と言えばこの体高が低い日本古来の馬に乗ってました。走る速度はせいぜい時速20kmほど。暴れん坊将軍もこれに乗ってたんですね。。。ちょっとがっかりですがこれが事実(泣)

 

馬の4本の足ですが・・・進化の過程で人間で言うと、これ、中指一本だけで立っていることに。人間から見ると肘や膝に見える位置が手首足首なんです。

 

体温は37~8℃触っても暖かいです。夜目が人間の何倍も利き、

事実、昔の人からは提灯なして馬に連れられて家まで帰ってこれた話をよく聞きます。

 

馬は元々群れで生活する動物です。何十頭の群れでも一位から最下位までの序列が全員にあると言われてます。馬は人を見ると言いますが、ご主人山ちゃんはうららにとっては群れのボス。そのほかの人は残念ながら,うららにとっては下なんです(泣)